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「悪夢のような成年後見制度」について

2017年10月17日

10/13のyahooに『「悪夢のような成年後見制度」役所を訴えた、ある娘の告白』の記事がリンクされましたた。
長谷川学さんというジャーナリストの方の記事であったが、非常に興味深く、後見制度運用の難しさがよく分る記事ではなかったのではないでしょうか?

後見制度の始まり

従来の禁治産者・準禁治産者制度に対しては、(1)類型が二つしかなく、判断能力が不十分といってもその程度は人によって様々であって十分に対応できない、(2)禁治産・準禁治産宣告は戸籍に記載されるので使いづらい、といった批判があった。
このような批判を踏まえ成年後見制度は、平成11年の民法改正等関連4法により、従来の禁治産者・準禁治産者制度を改正して、平成12年4月1日に施行され、導入されたものである。

成年後見制度の趣旨は、

成年後見制度とは,精神上の障害により判断能力が欠ける,あるいは不十分な方に援助者を選任し,契約の締結等を代わって行ったり,本人が誤った判断に基づいてした行為を取り消して本人を保護する制度です。

※裁判所HPより
成年後見制度の理念は、

成年後見制度の理念は,本人保護の理念を源とし,本人の意思や自己決定権の尊重もその理念とされています。審理の中で,できる限り本人の意向を聴いたり,補助,保佐の代理権付与には本人の同意を必要とするなど,本人の意思を尊重する制度が取り入られています。
また,障害のある方も家庭や地域で通常の生活をすることができる社会をつくろうというノーマライゼーションの理念も,成年後見制度の理念の一つであるとされます。
成年後見制度は,これらの理念の調和を目指している制度であるといえます。

※裁判所HPより
とされています。
ここで重要な事は、「本人保護の理念」と「本人の意思や自己決定権の尊重もその理念」がある事です。上記記事を読む限りでは、恐らく最初は「本人保護の理念」のもと、善意で後見制度を申立てのかと推測します。しかし、判決後は役所のミスを認めたくないあまり「本人の意思や自己決定権の尊重もその理念」を無視したのではないでしょうか?

後見認定は?

成年後見制度利用の申立ての際に必ず下記診断書を提出します。
成年後見用 診断書
この中段に、類型を選択できるようになっているが、そもそもこの診断書は医師であれば誰でもよく、特に精神科の専門医でなくても作成できるものとなっている。
記事にもあるが、家庭裁判所は上記診断書では不足と判断した場合は、「鑑定」をすることもできる。その為、「鑑定」についても、申請段階で下記書類の提出を求めている。

またここで問題なのだが、専門でない医師が「診断書」を作成し、鑑定についても自身が引き受けるとし場合は、専門医の鑑定なく、後見制度が始まってしまう。

この「鑑定」手続きは成年後見制度申立てのうち、どのくらい利用されているのだろうか?
これは裁判所が毎年発表している「成年後見関係事件の概況」に記載がある。
平成28年は、「成年後見関係事件の終局事件のうち,鑑定を実施したものは,全体の約9.2%(前年は約9.6%)であった。」となっている。
また費用については、「鑑定の費用については,5万円以下のものが全体の約61.9%(前年は約60.9%)を占めており,全体の約97.8%の事件において鑑定費用が10万円以下であった(前年は約97.6%であった。)。」となっている。

あまり利用されていないのが実情であるが、本記事に掲載されいる名古屋高裁の判例をうけ、今後は増加するかもしれない。

今後はどうなるのか?

それでは成年後見制度自体を廃止すれば良いのかといえば、そうではないと思う。やはり、運用を改善していくしかないと思われる。また、成年後見制度をより良くするため、「成年後見制度利用促進法」と「民法及び家事事件手続法」が改正された。
今後も、成年後見制度を真に利用者の為にあるべき制度する為、実務家として貢献していきたいと考えています。

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