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- 株式会社の社長(代表取締役)の交代
2017.10.8公開 2018.9.6更新
社長(代表取締役)の交代を実施するには、代表取締役の変更登記が必要となります。この、代表取締役の変更登記にはいくつかの注意点がありますので、正確な知識が必要となります。
また、取締役会設置会社か非設置会社かで、扱いがことなります。
取締役会設置会社又は非設置会社の確認方法
会社の登記簿謄本で確認ができます。
謄本に、「取締役会設置会社」の記載がある場合は、取締役会設置会社となります。
逆に無い場合は、取締役会非設置会社となります。取締役非設置会社とは記載されません。
代表取締役の選定(取締役会非設置会社の場合)
株式会社の代表取締役の資格
代表取締役は、取締役の中から選定されます。
そのため、取締役会非設置会社において、取締役でない者を代表取締役とするには、まず株主総会で当該人物を取締役に選任し、次いで当該人物を代表取締役に選定しなければなりません。
株式会社の代表取締役の選定機関
取締役会非設置会社においては、次の方法で代表取締役が決定されます。
- 取締役が1名のときは、その取締役が代表取締役となります。
- 取締役が2名以上いるときであっても、取締役全員が代表取締役となります。
- 定款に代表取締役の氏名を記載する場合は、株主総会で定款を変更します。
- 定款に「代表取締役は株主総会で選定する」旨の規定がある場合は、株主総会で選定します。
- 定款に「取締役が2名以上いる場合は、取締役の互選により、代表取締役を選定する」旨の規定がある場合は、取締役の互選によって代表取締役を選定します。
代表取締役選定の決議要件
取締役会非設置会社は、原則取締役全員が代表取締役となります。そのため、代表取締役を選定する定款に規程していなければ、代表取締役を選定する必要はありません。
定款に代表取締役の選定規程を置く場合は、以下の3通りの方法があります。
ア)定款に代表取締役の氏名を記載する方法
株主総会の特別決議により、定款を変更し、定款に直接、代表取締役を誰にするのかを定める方法です。
イ)株主総会の決議によって選定する方法
株主総会の普通決議により、株主総会で代表取締役を選定する方法です。
ウ)取締役が互選する方法
定款に取締役の互選で代表取締役を選定する旨の規程がある場合に、できる方法です。
定款に本規程が無い場合は、株主総会の特別決議により定款の変更が必要となります。
就任の承諾
代表取締役の就任するには、選任された者の、就任の意思表示が必要となります。この就任承諾により、始めて代表取締役就任の効力が生じることになります。
代表取締役の退任(取締役会非設置会社の場合)
株式会社の代表取締役は下記の事由により退任します。
死亡
代表取締役の死亡です。なお、取締役の地位も当然に退任します。
取締役の地位の喪失
代表取締役の前提となる取締役地位を、辞任、任期満了等により終了したときは、当然に代表取締役の地位も退任となります。
代表取締役の地位のみ辞任
取締役会非設置会社においては、定款に「代表取締役は株主総会で選定する」又は「取締役が2名以上いる場合は、取締役の互選により、代表取締役を選定する」の旨の規定が無い場合は、代表取締役の地位のみ辞任は出来ないとされています。これは、取締役会非設置会社においては、原則取締役の代表取締役の地位が一体化していると考えられるためです。
代表取締役の地位のみ解任
取締役の地位はそのままとして、取締役の決議によって代表取締役の地位を解任できます。
なお、代表取締役の解任を目的とする取締役の決議においては、当該代表取締役は決議権がないとされています(民甲第1940号民事局長回答)
取締役会非設置会社においては、定款に「代表取締役は株主総会で選定する」又は「取締役が2名以上いる場合は、取締役の互選により、代表取締役を選定する」の旨の規定が無い場合は、代表取締役の地位のみの解任は出来ないとされています。これは、取締役会非設置会社においては、原則取締役の代表取締役の地位が一体化していると考えられるためです。
代表取締役の辞任・就任登記の登記必要書類(取締役会非設置会社の場合)
事例)
- 現役員構成 取締役 A,B,C 代表取締役 A
- 変更後役員構成 取締役 A,B,C 代表取締役 B
- 定款に「取締役が2名以上いる場合は、取締役の互選により、代表取締役を選定する」旨の規定があり。
登記必要書類)
- 取締役の互選書+議事録署名者の印鑑証明書
- 就任を承諾したことを証する書面+印鑑証明書
- 辞任届+印鑑証明書
- 委任状
- 印鑑(改印)届書
必要書類1)について
原則:取締役の互選書には、出席した取締役の記名+実印による押印と印鑑証明書が必要。
例外:取締役の互選書に、代表取締役として法務局に印鑑を届けている者がいて、その者が登記者の届出印(法人実印のこと)を当該議事録に押印しているときは、出席した取締役の実印による押印及び印鑑証明書が不要。
具体的には、つぎのようになります。
ABC間の互選で、Bを代表取締役に選定。当該取締役互選書にAが届出印(法人実印のこと)を当該議事録に押印した場合は、BCは認印で押印し、BCの印鑑証明書も不要。
<参考>
ア)取締役の中から代表取締役を定めずに、全員が代表取締役になった場合
→取締役の選任に係る「株主総会議事録」に議長および出席取締役が個人実印を押印+印鑑証明書+「株主リスト」イ)定款または株主総会決議により取締役の中から代表取締役を定めた場合
→定款の変更に係る「株主総会議事録」、または代表取締役を定めた「株主総会議事録」に議長および出席取締役全員が個人実印を押印+印鑑証明書+「株主リスト」
必要書類2)について
原則:就任承諾書に、新代表取締役の実印の押印+印鑑証明書が必要。(本事例はこちら)
例外:再任(=重任)の場合は、新代表取締役は認印の押印のみで足ります。
必要書類3)について
原則:代表取締役の辞任届に、辞任した代表取締役の個人の実印の押印+印鑑証明書が必要。
例外:代表取締役の辞任届に、辞任した代表取締役の法人届出印(法人実印のこと)の押印。
※任期満了による退任の場合は、当然「辞任届」は不要です。
必要書類4)について
司法書士に登記を依頼する場合等は、委任状に届出印(法人実印のこと)の押印が必要となります。
必要書類5)について
法人の代表者が変更となりますので、印鑑(改印)届書が必要となります。
添付書類は、新代表者の個人の印鑑証明書となります。
なお、1)又は2)で新代表者の個人の印鑑証明書を提出した場合は、不要です。
注)印鑑証明書の有効期間について
1)から3)までの印鑑証明書は、有効期間は特にありませんので、3ヵ月を超えていても使用できます。
それに対し、5)についての印鑑証明書は、3ヵ月以内のものとされています。
代表取締役の選定(取締役会設置会社の場合)
株式会社の代表取締役の資格
代表取締役は、取締役の中から選定されます。
そのため、取締役会設置会社において、取締役でない者を代表取締役とするには、まず株主総会で当該人物を取締役に選任し、次いで当該人物を代表取締役に選定しなければなりません。
株式会社の代表取締役の選定機関
取締役会の決議によって、取締役会の中から選定されます。
代表取締役選定の決議要件
取締役会の決議は、決議に加わことができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)の賛成をもって決議をします。
なお、代表取締役の選定を目的とする取締役会において、代表取締役の候補者となっている取締役は、決議権を有するとされています。
※反対に、代表取締役の解任を目的とする取締役会においては、当該代表取締役は決議権がないとされています(民甲第1940号民事局長回答)
就任の承諾
代表取締役の就任するには、選任された者の、就任の意思表示が必要となります。この就任承諾により、始めて代表取締役就任の効力が生じることになります。
代表取締役の退任(取締役会設置会社の場合)
株式会社の代表取締役は下記の事由により退任します。
死亡
代表取締役の死亡です。なお、取締役の地位も当然に退任します。
取締役の地位の喪失
代表取締役の前提となる取締役地位を、辞任、任期満了等により終了したときは、当然に代表取締役の地位も退任となります。
代表取締役の地位のみ辞任
代表取締役の地位のみを辞任する場合です。この辞任には、取締役会の承諾は特に必要ありませんが、後任の代表取締役がいない場合は、代表取締役の変更登記ができません。なお、辞任した代表取締役は、平取締役となります。
代表取締役の地位のみ解任
取締役の地位はそのままとして、取締役会の決議によって代表取締役の地位を解任できます。
なお、代表取締役の解任を目的とする取締役会においては、当該代表取締役は決議権がないとされています(民甲第1940号民事局長回答)
代表取締役の辞任・就任登記の登記必要書類(取締役会設置会社の場合)
事例)
- 現役員構成 取締役 A,B,C 代表取締役 A
- 変更後役員構成 取締役 A,B,C 代表取締役 B
登記必要書類)
- 取締役会議事録+議事録署名者全員の印鑑証明書
- 就任を承諾したことを証する書面+印鑑証明書
- 辞任届+印鑑証明書
- 委任状
- 印鑑(改印)届書
必要書類1)について
原則:取締役会議事録には、出席した取締役の記名+実印による押印と印鑑証明書が必要となります。
例外:取締役会議事録に、代表取締役として法務局に印鑑を届けている者がいて、その者が登記者の届出印(法人実印のこと)を当該議事録に押印しているときは、出席した取締役の実印による押印及び印鑑証明書が不要となります。
必要書類2)について
原則:就任承諾書に、新代表取締役の実印の押印+印鑑証明書が必要。
例外:再任(=重任)の場合は、新代表取締役は認印の押印のみで足ります。
必要書類3)について
原則:代表取締役の辞任届に、辞任した代表取締役の個人の実印の押印+印鑑証明書が必要。
例外:代表取締役の辞任届に、辞任した代表取締役の法人届出印(法人実印のこと)の押印。
※任期満了による退任の場合は、当然「辞任届」は不要です。
必要書類4)について
司法書士に登記を依頼する場合等は、委任状に届出印(法人実印のこと)の押印が必要となります。
必要書類5)について
法人の代表者が変更となりますので、印鑑(改印)届書が必要となります。
添付書類は、新代表者の個人の印鑑証明書となります。
なお、1)又は2)で新代表者の個人の印鑑証明書を提出した場合は、不要です。
注)印鑑証明書の有効期間について
1)から3)までの印鑑証明書は、有効期間は特にありませんので、3ヵ月を超えていても使用できます。
それに対し、5)についての印鑑証明書は、3ヵ月以内のものとされています。
印鑑(改印)届書ついて
代表取締役が変更される場合は、必ず法務局に印鑑(改印)届書を提出しなければなりません。
なお、代表者変更はあるが法人実印の変更が無い場合であっても、印鑑(改印)届書の提出が必要となります。
当事務所の特徴
役員変更は、簡単のようにみえて以外に複雑な登記申請です。
書類不備のまま登記申請をすると、補正で何度も法務局に足を運ぶことになってしまい、貴重な時間を無駄にしかねません。
当事務所は、比較的規模の小さい事業者様の登記を数多くご依頼を頂いており、役員変更登記等の商業登記については全国対応しております。
役員変更登記のご用命がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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