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- 曲がり角の成年後見制度
27年6月23日付の日経新聞に
という記事が掲載されていました。
主な内容は、
■平成12年から「介護保険制度」と「成年後見制度」が始まった。
■しかし、開始後15年間で利用者に差がついた。
介護保険:当初149万人→現在510万人
成年後見:当初不明(記事に記載なし)→現在18万4670人
■後見制度の新規申立件数が微減した。
(参考)23年度:31402件 24年度:34689件 25年度:34548件
■利用低迷の原因として、「認知度が低い」「預貯金の管理などでやむなく利用」
「一度開始すると原則終了できない」「家庭裁判所への報告が必要」「後見人のなり手不足」等がある。
■最近は、後見制度支援信託の利用者が増加している。
■親族後見人による財産の不正流用が多発している。
■親族後見人の割合が低いので、家族に制度への理解を深めてもらうことが必要。
とあります。
当事務所は、「公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート」の会員であり、複数の方の成年後見人に就任し、日常的に後見業務を行っています。成年後見制度に関するご相談を受けることもありますので、上記のいずれの内容も納得できるところです。
成年後見制度は、ご本人の財産を守るために作られた制度です。
しかし、ご本人の家族からすると、煩わしい制度に見えてしまうことが申立件数低迷の原因の1つになっているのかもしれません。
■自分を後見人候補者として後見人を申し立てたとしても、第三者(司法書士等)が選任される場合がある。
■第三者が選任されると、親族は自由にそのお金を使用することが出来なくなる。
■第三者の後見人に対して報酬を支払う必要がある。(報酬額は家裁が決定し、ご本人の財産から支払います。)
特に2番目の「親族は自由にそのお金を使用することが出来なくなる」は、親族にとって気になるところです。
例えば、ご本人(被後見人)の子供が家のリフォーム費用や孫の学費の援助をして欲しいと後見人に申し出たとしても、被後見人の財産を管理している後見人は、原則としてそれを容認することは出来ません。
これは、成年後見制度が被後見人の財産を守るための制度であるため、当然のことなのですが、子の側から見ると融通の利かない制度と捉えられてしまいます。子や孫のために親がお金を出すことは一般的によくあることでしょうが、後見人が就任すると財産管理は厳格に行うことになります。
「被後見人の財産は被後見人のためだけにあり、被後見人の家族のためにあるのではない」ということです。
もちろん、それまでのいきさつや事情により援助等が認められる場合もありますが、後見人と家族との間で認識のズレは出てきます。
成年後見制度の利用については、当事務所までお気軽にご相談下さい。
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