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老後の安心へ任意後見人

2016年7月21日

平成28年7月20日の日経に「老後の安心へ任意後見人」の記事が掲載されました。

 高齢者らが認知症などで判断能力が低下する前にあらかじめ信頼する人と契約して財産管理などを任せる「任意後見制度」が注目を集めている。医療や介護、施設入所などの面で自分の希望をかなえやすい仕組みだからだ。ただ、契約の相手方である任意後見人を誰にするか、人選は容易ではない。後見人に財産を流用されてしまうケースもある。賢い利用法を探る。
「任意後見制度があったおかげで、いざというときの心配をしないで暮ら…

任意後見制度のメリット・デメリット等が分かりやすく記載されており、よい記事かと思います。

任意後見制度の利用状況

それでは、「法定後見」と「任意後見」の利用状況を確認してみましょう。

平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
法定後見等申立 30,302件 31,516件 31,320件 31,893件
任意後見契約締結 9,091件 9,219件 9,791件 10,740件

(出典:政府統計より)
となっております。両方ともに利用者数が僅かでありますが増加しております。高齢化社会において、成年後見制度が徐々に浸透してきた結果と思われます。

任意後見監督人選任の状況

任意後見は、自分が認知症などで判断能力を低下する前にあらかじめ信頼する人と財産管理等について契約をする仕組みとなっております。その後、本人の判断能力が低下した場合、契約をした後見人候補者が家庭裁判所に「任意後見監督人」の選任を申立て、監督人が選任された時点から任意後見契約がスタートします。
任意後見 将来型プラン

この任意後見監督人は、毎年どのくらい選ばれているのでしょうか?

 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度
任意後見契約締結  9,091件  9,219件  9,791件  10,740件
 任意後見監督人選任の審判の申立件数 685件 716件 738件 816件

(出典:最高裁の成年後見関係事件の概況より)
ここ数年を確認しますと、約1万件ほどの任意後見契約が締結されているのに対して、監督人が選任されるのは1,000件にも満たず約7%ほどとなっています。日経新聞でも指摘していますが、この落差を「本人が元気だから」と考えることもできますが、「後見人が不正しているのでは?」と考えることもできます。

結論

任意後見契約は、法定後見制度と違い、自分自身で後見人を選任することができます。しかし、その信頼すべき後見人が不正を働く可能性もあり得ることも認識しておかなければなりません。

任意後見制度について詳しく知りたい方は、司法書士法人武田事務所までお気軽にお問い合わせ下さい。

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