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シャープの減資

2015年5月10日

シャープが約1,218億円ある資本金を1億円に減らす方針と報道されています。

気になってシャープの平成27年3月期第3四半期決算短信(平成26年12月31日)を確認したところ、純資産の部合計は、約2,520億円で、利益剰余金も約1,278億円計上されていました。

この利益剰余金ですが、シャープは2015年度に約2,300億円の赤字となる見込みで、単純計算で2,300億円-1,278億円=1,022億円のマイナスとなってしまいます。

そこでシャープは、減資した1,217億円の内1,022億円を損失処理に利用して、残りの195億円はその他資本剰余金に計上。この時点で、純資産の部は、約220億円となってしまい、企業経営には心もとない状況です。

しかも来期も赤字額が1,000億円を超えるかもしれないため、シャープは、併せて約2,000億円の債務を優先株式に転換(DES)し、資本の増強を実施する予定です。これで純資産の部は、220億円+2,000億円=2,220億円となり、もう1期の大赤字を計上しても耐えられる見込みです。

更に、企業再生ファンドからも250億円の出資を受ける見込みとの事です。

それでも、シャープにはあまり時間はないでしょう。なんとか経常利益が回復して、昔の輝きを取り戻せたらと思います。

※新聞報道では、資本金1億円まで減資をするので税法上の「中小企業」に該当すると出ていますが、今回は減資と併せて増資もするので、「中小企業」に該当するのは、減資成立と増資完了までの間ではないでしょうか。

 

 

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