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仮想通貨 強制執行できず?

2018年6月14日

一時の狂乱相場は去ったとはいえ、ビットコインに代表される仮想通貨を所有している方は多いのではないでしょうか。

ところでこの仮想通貨、裁判所による強制執行(差押え)が可能なのか?
少々疑問をもっておりました。

そんな中、日経の記事が掲載されましたので、仮想通貨に対する強制執行(差押え)について取り上げてみましょう。

そもそも強制執行って?

強制執行とは、国の権力を借りて、債権者の権利を実現することを言います。

これだけですとわかりにくいので、事例で補足していきます。

AさんはBさんに100万円を貸した。
しかし、Bさんは、返済期日になっても返金しない。
Aさんは、Bさんに何度も返金して欲しいと言いましたが、なしのつぶてでした。

Aさんはどうすればよいでしょうか?
Bさんを脅す→犯罪です。
Bさんの家から勝手に金銭を取る→犯罪です。
Bさんの口座から勝手に金銭を取る→銀行が許しません。
Bさんの給与を差し押さえる→Bさんの勤務先が協力してくれる保証がありません。
なお、日本では自力救済は禁止されています。

では、どうすれば100万円を回収できるのでしょうか?

このような場合は、AさんはBさんに対し訴訟を提起をすることから始まります。
この訴訟に勝訴した後に、Bさんの財産に対し強制執行することが可能になります。
この強制執行を実行する(例:口座を差押える)ことにより100万円をやっと回収することができます。
つまり裁判に勝訴しただけでは、現実に100万円は回収できないと言えます。

この強制執行は、大きく分けて二つの強制執行があります。

1)金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行
→先の事例はこちらです。

2)金銭の支払いを目的としない請求権についての強制執行
→賃料を滞納している借家人に対して家屋を明け渡せ等です。

金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行の対象

金銭の支払いを目的としているわけですから、金銭を回収しなければなりません。
<主な差押財産>
①給料・賞与
②役員報酬
③預貯金口座
④不動産
⑤自動車

①②③は、金銭そのものを差押えます。
これに対し④⑤は、金銭そのものは差し押さえませんので、換価する必要があります。

それでは仮想通貨は差押えられる?

6/14の日経の記事によると、一部の仮想通貨交換会社は「技術的に困難」を理由に強制執行ができなかったとあります。
ただし、当該仮想通貨交換会社は、18年3月に福岡財務支局から業務改善命令を受け、その後、改正資金決済法に基づく仮想通貨交換業の登録申請を取り下げる方針を明らかにしたとあります。

また、同日の別の記事では、

仮想通貨交換会社大手のGMOコインは「裁判所や税務当局からの顧客口座の差し押さえ要請に応じた事例は数件ある」と説明。契約時の約款に「差し押さえの申し立てを受けた場合、サービスの利用を停止、解約できる」と明記しており、日本円に換金した上で、指定口座に送金する手続きをとるという。
ビットフライヤーも「差し押さえ命令を受けた事例は過去に数件ある」と回答。技術的には凍結は可能と説明したが、命令にどう対応したかは「機密情報で答えられない」とした。

とあり、強制執行(差押え)が可能とあります。

これをどのように解釈すればよいのでしょうか。

「技術的に困難」が、仮想通貨交換業の技術力次第であり、仮に技術的に可能であっても仮想通貨交換業の対応次第というとこでしょうか。

仮想通貨は、今後も使用されていくことは間違いないように思います。
しかしこの仮想通貨に対し強制執行(差押える)ことができなければ、私人間同士はもちろん、脱税時の差押え等でも問題が発生します。

技術的な問題は仮想通貨交換会社がなんとかクリアすべき課題だと思いますが、技術的問題以外の部分は、行政又は立法府が早急に改善すべき問題かと思います。

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