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- 実家を相続したくない!
両親の居住していた実家を相続したくないとご相談される方が多くなっています。
この場合多くのご相談者は、既に自己の家をお持ちで、地方にある実家を相続しても維持管理に費用が掛かるだけで負担になるとお考えです。確かに、貸したり・売却できたりできる実家なら相続する経済的価値はありますが、それらをできない場合は経済的価値は低くなってしまいます。
このような場合は、法的解決手段の一つとして「相続放棄」を検討をしてみましょう。
なお、ここでいう「相続放棄」は、遺産分割協議で実家を相続しないと相続人全員で決定することではなく、家庭裁判所へ相続放棄の申立をすることを指します。
検討材料1<実家不動産以外財産がない>
「相続放棄」の申出が受理されると、亡くなった方の財産の全てを相続しないこととなります。
その為、預貯金だけ相続して実家不動産のみを相続放棄はできません。
預貯金を相続したい相続人は、実家不動産も相続する必要があります。
検討材料2<後順位相続人への連絡>
例えば、母死亡後に父も死亡して、実家相続を相続したくない子たちが全員相続放棄をした場合、父方の祖父母が父の相続人となります。また祖父母が死亡していた場合は、父の兄弟姉妹が相続人となります。
<相続順位>
1 直系卑属(子・孫等)
2 直系卑属(親・祖父母等)
3 兄弟姉妹
※配偶者は常に相続人となります。
相続放棄をした子たちは、新しく相続することとなった人(祖父母・父の兄弟姉妹等)に「相続放棄」した旨を連絡します。この連絡をうけた新しい相続人は、また放棄するか相続するかを選択することとなります。
※相続放棄したことを後順位相続人へ連絡することは法律上義務ではありませんが、トラブル防止為連絡することをお勧めいたします。
検討材料3<相続人全員が相続放棄すれば安心?>
それでは全員は相続放棄した場合、相続財産はどうなるのか?それは、民法959条に規定があり国庫に帰属します。
(残余財産の国庫への帰属)
第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。
ただし相続放棄した後、勝手に国庫に帰属するわけではありません。その為には、まず相続財産管理人選任の申立を家庭裁判所にしなければなりません。相続財産に金銭がなく不動産のみの場合、申出の際に多額の予納金(数十万から百万円程度)が必要となってきます。この選任された相続財産管理人が国庫に帰属するまでの手続を行います。
ここで注意していただきたいのは、相続財産管理人が選任されるまでの間、最後の相続人は相続財産を自己の財産と同一の注意を持って管理をしなければならない事です。
(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
その為、実家不動産が倒壊する危険がある場合などは、相続放棄をした相続人が自治体から管理するように指導を受ける可能席もあります。
「実家を相続したくない!」要望はこれから増加することが予想されますが、簡便安価で解決することは難しいのが現状です。
当事務所の特徴
当事務所は、相続放棄のサポートから、相続財産管理人の申立まで幅広くサポートしております。
相続放棄などにお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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