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農地法3条許可(農地の売買・贈与等)

2017年9月27日

農地は、農地法により売買・贈与・転用等の処分が制限されています。主な理由としては、食糧自給のために、「農地を保護」し、「農地の利用促進」のためです。

農地とは?

農地法上の農地は、耕作の目的に供される土地をいいます(農地法2条1項)。農地かどうかは、客観的な土地の事実状態で判断します。また、土地を権利移動する際に、登記簿上の地目が「田」「畑」となっている場合は、現況が農地でなくても、農地法の許可が必要となります。

農地の処分

農地法でいう、農地の処分は3つタイプがあります。

権利移動(売買・贈与等)

権利移動とは、耕作する人が変更されることです。例えばAさんが農地を持っていて、Bさんに農地として売却する場合です。この場合、農地法3条の許可が必要となります。

転用(農地から宅地へ等)

転用とは、農地をつぶして宅地等へ土地の用途を変更してしまうことです。権利移動と違い、人の変更はありません。この場合、農地法4条の許可又は届出が必要となります。

転用目的権利移動(複合)

転用目的権利移動は、人の変更と用途の変更をすることです。例えば、Aさんがもっていた農地をBさんに売却し、Bさんはそれを宅地に用途変更する場合です。この場合、農地法5条の許可又は届出が必要となります。

農地法3条許可

許可が必要な行為

農地を耕作することを目的とし、所有権や賃借権の移転・設定を受ける行為となります。具体的には、売買や贈与などになります。有償又は無償かは関係ありません。tyuu
注)農地法4条農地法5条と違い、市街化区域内であっても、届出ではなく、許可が必要となります。

許可が不要な行為

相続、遺産分割、財産分与、包括遺贈、相続人への特定遺贈(平成24年12月14日付け法務省民二第3486号)の場合は、許可不要となります。なお、農地に抵当権設定の際も、許可不要となります。

農地の賃貸借期間

農地の賃借期間は、民法の規定とは違い、50年となります(農地法19条)。※通常の民法604条(賃貸借の存続期間)の規定は20年となっております。

許可権者

農地所在地の農業委員会となります。例)広島市農業委員会事務局

許可基準

農地法3条2項の主な基準要件は次のとおりとなります。
ア)取得する耕作地を含めて所有する農地全部を効率よく耕作すること。※例えば、農機具を所有しているかや、居住地と耕作地の距離が離れすぎていないかなどです。
イ)耕作に常時従事すること(個人の場合)。※原則として、農作業に従事する日数が150日以上。
ウ)取得者が法人であるときは、農地所有適格法人であること。
エ)権利取得する農地の現在所有または利用権が設定されている農地とを合わせて10a(1000㎡)(広島市中区の場合)以上耕作すること。※市区町村によって㎡の基準は異なります。広島市の場合
オ)周辺の農地利用に悪影響を与えないこと。
カ)農業経験並びに実績が十分であること。※新規就農者については適用外。

3条許可を受けないで権利移動場合

許可を受けないない場合、契約は無効となります。また、罰則も適用されます(農地法64条)。

農地法3条の許可事例

農地法3条許可
農地法3条許可
農地法3条許可

当事務所の特徴

当事務所は、農地に関係する登記に関して豊富な経験がございます。
農地について、お悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

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