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司法書士の独占業務(登記)

2016年3月2日

司法書士の武田です。

日本には、弁護士・司法書士・行政書士等など様々な士業があります。これらの各士業ごとに、「独占業務」を規定する法律があります。この「独占業務」とは、法律で規定している士業以外は、その業務をしてはいけない規定のことです。

例えば、税務署に代理人として税務書類を提出する業務は、税理士の独占業務となります。仮に他の士業や士業以外の方が行うと、税理士法違反となります。しかしこの「独占業務」は外部からみると非常にわかりにくく、悩み事があるけど、どの士業に相談すればいいのか分からないという話はよくあります。

司法書士の独占業務(登記)

司法書士にも、独占業務があります。何が独占業務なのかは、司法書士法第3条に規定があります。今回は、その中で登記に関する独占業務について解説をします。
まず、司法書士法第3条第2項を参照下さい。

(業務)
第三条  司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一  登記又は供託に関する手続について代理すること。
二  法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第四号において同じ。)を作成すること。ただし、同号に掲げる事務を除く。
(以下略)

「法務局」とういう単語は出てきますが、「登記」という文言は出てきません。しかし、法務局に提供する書類の中が、司法書士が独占的業務となり、ここに登記も含まれています。したがって司法書士以外の、税理士や行政書士などが登記申請人に代わって登記申請を行うと司法書士法違反となります。実際に、行政書士が多くの会社登記申請を行い、逮捕される事案がありました。

独占業務がある理由

司法書士以外の士業の方が司法書士を利用せずに登記申請するでよくある方法が、「登記書類」はその士業が作成するが、「登記申請書」は本人が作成して、本人が「登記書類」と「登記申請書」を持って法務局へ申請する方法です。
ここで「登記書類」と「登記申請書」って何が違うのと思わる方がいらっしゃると思います。
「登記書類」→法務局にこのようなことがありましたと伝える書類。例)株主総会議事録、売買契約書など
「登記申請書」→法務局に登記書類に記載されている事がありましたので、登記の変更を申請する書類。
この方法だと司法書士法違反の恐れは低いかも知れません。しかし、「登記申請書」に司法書士以外の士業の連絡先を記載している場合などは、事実上の代理人とみなされて司法書士法違反の恐れがあります。法務局もそのあたりはチェックしております。

ここまで記載すると、司法書士が自分の既得権益を守っているだけとの批判があるかも知れません。私自身も、そうなのかなと思うことはあります。しかし、士業ごとに独占業務が、分かれているのはそれなりに理由があると思います。
例えば私が税務の勉強を一生懸命を行い、税務に凄く詳しくなってもやはり税務書類の作成をしようとは思いません。当然、税理士法違反、本職の税理士より知識経験が劣るなどがありますが、一番は万が一事故が発生した場合に私が責任を取れないからです。各士業には、保険があり、万が一独占業務で事故があっても保険金が支払われ事故による被害が救済される場合もあります。

馴染みの先生が「司法書士に依頼すると費用が掛かるからやってあげる」と、言われることがあるかもしれません。しかしそのような先生は、コンプライアンス低いとしか言いようがありません。万が一事故が発生したとしても、その先生が責任を取ってくれるのでしょうか?そのような場合、しっかりと先生以外の士業の独占業務ですが大丈夫ですかと伝えましょう。

しかしどの業務がどの士業に当てはまるのか分からない方は、大勢いらっしゃるのではと思います。
そのような場合は、お気軽に司法書士法人武田事務所にご相談下さい。
司法書士業務以外と判断した場合は、信頼できる専門家を無料でご紹介しております。

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